60代 こんな暮らし

人生の黄昏を感じる60代。日々の暮らしとこれまでの思い出を綴ります。

エンバーミング

夫の 退院の翌日に買った花です

 

白いストック、 ピンクのガーベラ、 これに菜の花がついていました。

これから始まる 介護 生活 に向けて、元気をもらうために買った花です。 今は夫を弔う花になっています。


葬儀屋さんを決めて一般葬で見送ることにした時、 夫のエンバーミングを依頼ししました。


見る影もなく痩せて やつれていたので 、あの顔を見られるのは、夫にとってとても辛いだろうと思ったのです。


エンバーミングを施した夫は、病気で痩せこける以前の顔になって、戻ってきました。

本当にやって良かった。

できることなら、この姿のままでずっとベットで眠っていてもらいたいくらいです。


葬儀を終えると、 ものすごい 虚脱感が襲ってくると思います。

でもその前に、私が喪主として力を尽くして 葬儀を勤めないとならないのですね。

夫の最期「愛してる」

ご心配やお気遣いのコメントをいただき、ありがとうございました。

全て返事ができていませんが、 読ませていただいてます。


今は薬のお世話になって、夜眠っています。食欲は普通にあります。


しばらくブログで 夫のことや 湿っぽい話が続くと思いますので、 苦手な方はスルーしてください。


        ❀


夫の最期の時のことです。

部屋を覗くと夫は枕に顔を横に向けて うっすらと目を開いていました。

もうずっと前からガリガリに痩せて、生きているのが不思議な状態でした。

脱水症状かと思い、夫の閉じた口を開けて、  ペットボトルのポカリスエットを口の中に流し込みました。

ほとんど飲めないで、 首に当てたタオルにこぼれていきます。


鼻に手を当てると、かすかに呼吸をしていました。

その時が来た、と瞬間的に感じました。

パニックになって夫の耳元で「愛してる、死なないで」と、何度も大きく呼びかけていました。


(いざというときが来ても、私にそんな陳腐な言葉を期待しないでね、 と つんけんしながら夫に 以前言っていたのに)


夫は目を閉じたまま、反応はありません。

訪問看護に電話をかけ、また夫のそばに行きました。

もう息はしていないようでした。  

夫の頬に、涙の伝った跡がありました。


医師が私の簡単な話と死後硬直の状態から、死亡診断書に書いた 死亡時刻はその10分前でした。

10分なんてどうでもいいです。

最後に夫にかけた言葉は、夫に聞こえていたと信じています。


夫はまだ身体に ドライアイスを置いて、 冷房をかけた部屋で自分のベッドで眠っています。


昨日は 義弟が夫に会いに来ました。

今日は1日葬儀 会社に相談したり、 葬儀会社の人と会ったりしていました。


お葬式って、あの世への引っ越し みたいです。

私は今、この家で夫の通夜をしている気持ちです。

夫が亡くなりました

今日の午後8時 、夫が亡くなりました。

2024年2月21日。

退院してから1週間です。


今朝から食欲がなく 、ベッドで横になっていました。

支えて部屋のベッドに戻る際、自分は死ぬ時期に来ているような気がする、と言っていました。


夕方、夫と話をして、8時に夫の部屋を覗いた時は、もう呼びかけても意識のない状態でした。


夫の以前からの強い希望で、救急車は呼びませんでした。


訪問診療の医師が死亡診断書を書いてくれて、 訪問看護の看護師さんが夫の体を清めて夫の好きな服に着替えさせて くれて、今夫はベッドに横になっています。


眠っているような 穏やかな顔です。

寿命だったと思います。

20年過ごした自分の部屋で亡くなった夫は幸せだったと思います。


今は夫と二人だけの時を過ごしています。